介護職の質の向上は、様々な医療ニーズに応える上でとても重要な課題です。何故なら、介護業界で生き残るためには、質の良い介護サービスを提供し続ける必要があるからです。介護職の資質向上を図るうえでは、大前提として人材の分化と明確化が求められます。医療法人の介護業界への参入が増えており、医療ニーズが複合化してきています。それにより、介護サービスもさまざまなものが複合化してきており、マネージメントスキルがあるスタッフを育成していかなければならなりません。もちろん、より良いサービスを提供するには、現場における介護スキル自体を向上させていくことも重要です。つまりマネージメント能力がある人間と、介護技術の高い人間とをそれぞれ育てる環境が大切なのです。

そのため、介護現場における人事評価制度を再度見直すことが求められています。マネジメントと現場、双方のキャリアパスを確立させることで、どちらも連動可能な仕組みを作っていかなければなりません。もしキャリアパスが人事評価に連動され正しく運用できれば、介護職員の資質向上という課題は解決に向かうだでしょう。キャリアパスが確立されれば、将来目指すべき介護職像が明確になるので、若い人たちにとってはモチベーションの維持にもなるのです。また介護職は専門性が高い仕事になりつつあることから、国家資格の取得などを推奨して継続的な質の向上を目指す必要があります。さらに介護職員は常に人材不足という課題もあります。限られた人材を有効活用するために、機能分化を進めることも忘れてはなりません。このように介護業界には課題が多くありますが、一方で解決していく方法もたくさんあります。